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オーソリティが設立された。
D. ボストン港 1911
当初は、ボストン港に乗り入れていた鉄道会社がそれぞれ専用の桟橋を建設し、独自に利用料金を設定したり、特定の船会社のみに利用させていた。次第に、特定の鉄道と船会社のペアが固定し、運賃競争が少なくなるとともに港湾の運営が硬直化してきた。このため、1911年、市はボストンポートオーソリティを設立して、公共的に港湾を管理することとし、ポートオーソリティは既設の公共港湾施設を引き継いたほか、民間の港湾施設を買収する権限を得て、ボストン港の管理運営を開始した。第二次世界大戦後、ニューヨーク港に比べて競争力の低下したボストン港を再生するため、州の管轄するマサチューセッツポートオーソリティが設立され(1956)現在にいたっている。
E. ニューヨーク・ニュージャージー港 1921
ハドソン川河口部では、当初、鉄道会社がそれぞれのターミナルを持ち貨物の搬出入をしていた。両州がそれぞれの州での取扱いを増加させるべく、ターミナル間の競争を激化させたり、鉄道連賃の規制に対する論争に発展したりしたため、両州にまたがるポートオーソリティを設立する提案がなされ、1921年、両州によりニューヨーク・ニュージャージーポートオーソリティが設立された。その目的は「総合的な交通計画筆策定することにより、鉄道事業者間の非生産的競争を無くし、背後都市の経済的便益を高めるため」とされている。
(3) 最近の傾向
港湾の合併
海運業界の世界的規模での連合再編は、寄港地の再選択、利用するターミナルの再編につながり、港湾問のあるいはターミナル間の競争を激化させるものと認識されている。シアトル港とタコマ港、ヒューストン港とガルベストン港など近接する港湾の問では、船社の誘致に関する競争が激化しており、かつてのニューヨーク・ニュージャージー港の合併、1970年の3港合併によるハンプトンローズ港設立(バージニア州ポートオーソリティ)のような港湾の合併、あるいは、吸収などが検討されている。ヒューストン港とガルベストン港の合併は1991年から1992年にかけて協議されたが、まとまっていない。
行政の一部局化
一般的な例ではないが、港湾経営の失敗から、ポートオーソリティを行政の

 

 

 

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